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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 心は傍に


気付けば気を失っていたようで、今の状況を確認する為に小此木に連絡を取りながら戦場へ急いだ。


「小此木!どうなってる!基地は、みんなは…保科副隊長はっ!!」


「え?神谷さんが飛ばされてからすぐに攻撃をし続けています!」


気を失っていたのはほんの一瞬だったようだ。


状況を教えてくれている小此木の声が途切れた。

どうしたんだ…まさかあの人が…。


近くの崩れた建物に登り状況を確認する。

副隊長があの大きな手に握られている。

銃もない、すぐに駆けつけられる距離でもないし、そんな動ける程の力も残っていない。


死なないでっ…!神様でもなんでもいい、あの人を殺さないで…。


「宗四郎ーーっ!!!」


「皆、よく耐えてくれた。」


この声は……。

次の瞬間、本獣の左腕が落ち、副隊長を握っていた手が開く。

よかった…きっとみんなは大丈夫だろう、あの人が…亜白隊長がいれば、もう何も心配はいらない。

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