第9章 心は傍に
「璃沙!!来い!演習場に引き込むぞ!!」
「了!」
副隊長と一緒に本獣の攻撃を躱しながら、演習場の方へ退っていく。
3番ゲートの近くまで来ると、四ノ宮と市川の分隊が機能しているようだ。
連携をする余獣を掻き乱している。
あ、車両が何個も壊される…。
副隊長が見逃した本獣の攻撃を銃で撃ち無効化した。
危なかった…あんなの食らったらいくら副隊長でも…。
「小此木ちゃん、3番ゲート解放。」
開いていくゲートの中に入っていく。
「あ…。」
「開けた意味ないやんけ!!高いねんぞ!その扉!!」
せっかく開けたゲートを本獣は殴り、変形させた。
そして、見ていたはずなのに、本獣の姿はゲートになかった。
「お前、誇っていいぞ。こんなに俺と殴り合える奴、怪獣にもそうそういねぇ。是非とも食って糧にしたいねぇ。」
「っ!副隊長!!」
いきなり副隊長に突き飛ばされ見ると、本獣の拳が彼に飛んでいく。
見えた…副隊長が全解放して本獣の腕を斬り落とすのが。
彼の姿は土煙で見えないが、腕を斬り落としているので大丈夫だろう。
「すまん小此木ちゃん、緊急につき申請省略や。ここなら本気出しても隊員巻き込む心配ないやろ。」
「はっ!小此木!リミッター解除許可申請!!」
戦力全解放87%。
立川を、未来を…守る為に全力でいく。
解放戦力にさほど差がないとしても、未だに彼の速さにはついていけない。
それでも彼が全解放した以上、私もしなければ巻き込まれる。