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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 心は傍に


その時、ドドドドドッとものすごい音が聞こえて揺れた。


「オペレーションルーム!!何事や!?」


咄嗟に頭を抱かれたので身動きが取れない。


「基地敷地内に数十体の怪獣出現!!現状から判断するに恐らく、怪獣によう上空からの襲撃です!!」


小此木はそのまま推定強度を伝えた。


「6.4…6.2…6.3…!!各個体が全て、本獣クラス……!?」


恐らく余獣だろう。

亜白隊長が本部に呼ばれて不在の今、私たちはこの基地を守りきらないといけない。


すぐにスーツに着替えた。


「夜間警備隊は総員戦闘態勢に移行!!非番の隊員にも緊急出動をかけろ!各自戦闘準備にかかれ!!可能な限り演習場に引き込め!絶対に基地の外に出すな!」


専用武器を手にし、周りを警戒した。


「璃沙、お前は僕と来い!状況を判断してから指示を出す。」


「了!」


日比野からの報告で答えを出した彼は目の前を見据えた。


「超強力なリーダーがおる。」


人型の真っ赤な怪獣がいる。

彼からの指示はまだない、一瞬も気を抜かずに怪獣を睨んだ。


「この基地で一番強いのは誰だ。」


また人語を操る怪獣…。


銃を構え、柄に手を掛けながら指示を待った。

こういう時、自分でしっかり判断出来る頭脳が欲しい。


「隊長おらんしまあ…僕やな。」


決まったと言いながら怪獣は手を上げた。


「お前が俺の獲物だ。」


デコピン?怪獣はデコピンの指の形をしたかと思ったら指を弾き、衝撃が飛んできたので咄嗟に躱した。

早い…し、この威力。

後ろの建物にいくつもの亀裂が走った。


「本獣推定フォルティチュード出ました!!8.3!?クラス大怪獣です!!」


すぐに彼は斑鳩に対余獣の指揮をとるよう指示をしたが、途中で本獣が背後を取る。

拳が振り下ろされる瞬間すぐに躱した。


隊長なしでこれをどうしろと……速さも威力も半端ない。


「こいつは……僕が殺らなあかん。」


本獣の顔の裂け目が開き、目のようなものが現れた。


「よぉし、それじゃあ本格的に、殲滅開始だ。」


咆哮したかと思うと余獣が反応する。


すぐに副隊長目掛けて拳を飛ばしてくる。

そのままものすごい早さで殴り続ける本獣の拳を全て刀で防いでいた。


そう、あくまでも狙いは彼ってことね。

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