第9章 心は傍に
何故か市川や古橋と共に店に連れて来られて部屋に入ると、クラッカーを浴びせられた。
なんで私まで…。
どうやら、私たちの退院祝いも兼ねてくれているらしい。
「あの…私までありがとう。」
みんなに声をかけるといきなり宗四郎が目の前に立った。
「というわけで、初任務ご苦労やった。同期まとまっての非番なんてそうそうない機会や、大いに楽しんでくれ。乾杯!」
なんで私の前に立つの…。
手を引かれて隣に座らせられると耳打ちをされる。
「そないに可愛ええ笑顔、他の男に見せんでよ。」
笑えてたんだろうか、あまり自覚はなかった。
言い合いを始めたみんなは任務の話をしている。
それを聞きながらボーッとビールを流し込んでいた。
少し経つと宗四郎は手を叩いてみんなの注目を集め、日比野カフカが正隊員に昇格したことを発表した。
「防衛隊 第3部隊へようこそ。」
宗四郎は相当日比野を気に入っているようだ。
候補生として取ったのも正隊員に推したのも彼だ。
その後危うくみんなのいる前で襲われかけなんとか止めて家に帰ると、また襲われそうになった。
そんな酔ってはいなかったが、私と別れてから何もしていなかったらしく、力がすごかった…止めて寝させるのに骨が折れた。