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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第8章 知りつつも


また好きやでと囁かれて恥ずかしくなり、トレーニングをしようと慌てて離れた。

早く行こうと手を引きトレーニングルームに入ると、数人の隊員がいた。

この前の全体通信の事件でめちゃくちゃ見られる。


気にしたら負けだと思い、トレーニングを始めた。

…が、出来心でトレーニングをしている宗四郎をスマホで撮ったら止まらなくなってしまった。


「もぉ、集中出来へんて…君もちゃんとしぃや。」


「すみません、します。しますから、後1枚だけ…。」


どうしよう…かっこよすぎて止まらない。

自身のキャラなんてどうでもよくなっていた。

もうこの人の前では自然にしていよう、自分がしたいことをしてしまおう。


ダメだ、集中なんて出来ない。
2人きりになりたい、触れたい。

トレーニングを始めていたのだが集中なんて出来ていなかった。

そんな奴がここにいてもダメだと思い、少し彼を見つめて目が合ってからトレーニングルームを出た。

思った通り彼はついてきてくれた。


「どしたん?」


「……帰ろ。」


ええよと手を引き歩き出す。


廊下を歩いていると隊員が通るのは当たり前で…恥ずかしくて手を振り払ってしまった。


「ご、ごめんなさい…恥ずかしいから内緒にしたい…。」


「別にええけど、意味ないんとちゃう?僕が君を好きなんはみんなに知られとるんやから。」


そうだった、宗四郎の告白は全員が聞いていたんだった。

その宗四郎と私が一緒にいれば、すぐにわかるだろう。


でも、また中之島みたいなのがいたらちょっとやりずらい。
静かに見守ってくれたらいいのに…。

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