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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第7章 任務の傍らで


ゆっくりと目を開けると医療棟の天井が見えた。

あの後どうなったのだろう、市川や古橋は…。


視界の端に何か入りそちらに視線を向ける。


「……保科副隊長。」


あの時みたいだ。腕を組んで俯き動かない。


どのくらい眠っていたのだろう、気になることはいっぱいあるが、寝ている彼を起こしたくなかった。


廊下からすごい勢いの足音が聞こえてくる。


「璃沙ー!!」


扉を勢いよく開け放ち大声で名前を呼ばれ、副隊長が起きてしまうと彼を見てみると、顔を上げて目を開いていた。


「お姉ちゃん、もう少し静かにしてよ。副隊長が起きちゃった……。」


「璃沙!目が覚めたか!よかった…!」


手が握られ、途端に彼の体温を感じて愛しくなる。


どうやら医療班が私が目覚めたことを姉に知らせたようだ。


私の頭を撫でた彼は姉に向き直った。


「神谷、僕らはこれから上官と部下だけの関係になる。璃沙は全部知っとる、僕らのこと…。」


姉は最初なんのことかわからなかったようだが、すぐに顔が青ざめたのでわかったようだ。

すぐに姉は謝ってきて土下座までしてきた。


いや、いくら頭を下げられても…。


「許しませんよ、2人共。特に副隊長、あなた亜白隊長のことも狙ってるんですか?」


「は……なんのことや?」


怪獣が現れる前のあの言葉を聞いたと言うと笑われた。


「ちゃうよ、あれはそんなんやない。副隊長として、や!」


「え?あ……ごめんなさい…。」


まさかの勘違いに恥ずかしくなり、顔が熱くなってくる。

嫉妬しとるん?と頭をぐしゃぐしゃにされた。


「はよ治して。」


額にキスをされて、その後あまりしないうちに姉はいなくなり、副隊長は入り浸っていた。

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