第7章 任務の傍らで
その時警報音が鳴り響き、肩を震わせた。
いつもなら特に驚いたりしないようなことなのに。
すぐに準備しオペレーションルームへ向かう。
作戦が伝えられ、車両に乗り込み出動した。
私は小隊を持っていないので斑鳩小隊へと組み込まれた。
いつもは保科小隊なのにどうしてだろう。
戦力的なあれかな、保科小隊には四ノ宮がいるし。
小隊を持ちたかったのだが、副隊長に反対されてしまった。
バカにつく部下が可哀想だと言われた。今考えると相当酷いと思う。
よく筆記で落ちなかったと言われたくらいやばいらしい。
そして今回の本獣は全長150メートル超えの超大型キノコ。
本獣は亜白中隊が処理に向かっているのでいいのだが、問題は余獣だ。
無数に生み出されている。本獣を倒しても死体から溢れ出すかもしれない。
新人2人を補助しながら地区Fに侵入した余獣を倒していると、亜白隊長が見事、本獣を倒したようだ。
「あーこいつもだ。仕込んだ増殖器官が破壊されてる。なんでバレちゃったのかなぁ?隊員の中に怪獣に詳しい人がいるのかな…。」
は?仕込んだ増殖器官?
先程日比野が見つけたもののことを言っているのだろう。
だがしかし何故、今目の前にいる解体業者の者がそんなことを言っている。
その人物はぶつぶつと繰り返し、話しかけた新人の古橋へ指を差した。
その瞬間、指先がボゴっと膨れ上がった。
「古橋!」
「避けて伊春くん!!」
気付いていない古橋を庇おうとしたが間に合わず、彼の肩は撃たれた。
もしかしてあいつ…。
痛みに嘆く古橋を市川が支え、私は2人の前に出た。