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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第7章 任務の傍らで


すぐにオペレーションルームに向かい、隊長と副隊長にお礼をする。


「これからも頼んだぞ。基地No.3として、私や保科が戦えない時は、みんなを守ってくれ。」


「了!」


敬礼をすると亜白隊長はオペレーションルームを後にした。


「今日は帰さへんでー。」


手を握られ私たちもオペレーションルームを出ていく。

もう終わりなら解放してくれ…少しトレーニングをして帰りたいのだが。


「はよ戻ってきてやぁ、君が僕のこと好きなん知っとるで。」


だからと言って戻る必要はないだろう。


「姉はどうしたんですか?姉と一緒にいればいいじゃないですか。」


「なんで璃子さ…神谷なんや?あれから何も話してへんし、璃沙やないと意味ない。」


話してない?姉と2度もしたのに?2度どころじゃないかも…。


普通に話したらいいじゃないですかと呟く。


「璃沙は嫌なんやろ?仲良うして欲しくないんやろ?やからもう、今までみたいな関係にはならへんよ。」


もっと早く言うてくれたらよかったのに…と言う彼の表情は窺えないが、少し沈んでいる気がした。

というか、言わなくてもわかるだろう。

誰が寝た女と仲良くして欲しいと思うんだ。姉だとしても関係ない、余計嫌だ。


「やなこと、もっと言うてや?なんでも言うて。」


振り向いて額を合わせてきたので、胸を押して離れさせる。

距離感がおかしい…。


すると今度は顎を持たれて上げさせられた。

ゆっくりと顔が近付いてきたので慌てて顔を背ける。

頬を掴んで無理やり向かせようとしてきたので、嫌ですと言うと離れていった。


「ごめん…璃沙に触れたくて……。」


俯く彼を見つめて、愛しさが溢れ出しそうになる。


「体調管理ちゃんと出来とるか?ちゃんと笑うてる?」


突然笑顔を見せた彼を見て、泣きそうになってしまう。

寂しそうな笑顔をしていた。この人のそんな顔は見たくない。

私が好きになったのは、眩しいくらいの笑顔だから…。


戻りたい、この人のところに戻りたい。

でも、また裏切られるのが怖い。

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