第7章 任務の傍らで
あれから2ヶ月が過ぎ、無理やり連れて来られた新人の射撃訓練を見ている。
私とは違って新人たちは、メキメキと力をつけていた。
私は保科副隊長に見つけてもらうまで、1%すらも解放戦力が伸びなかったというのに…。
「そろそろ戻ってきてくれてもええんちゃう?」
「なんのことですか?」
「お願いやから…。」
それか…何も訓練中じゃなくてもいいだろう。
何も答えないでいると、四ノ宮を追いかけ回す日比野にこのままだと正隊員にはなれないと言い渡していた。
外周10周して上がっていいと言う彼にええー!と言った新人たちに15周と鬼畜なことを言っている。
相変わらずスパルタだ。
外周へと向かう新人たちを見送っていると、後ろから小此木に話しかけられた。
「バチバチ火花散らしてますね、新人たち。」
「ああ、僕のおらんとこでも競い合って、高め合うてるようやで。」
突然手を握られ、肩が跳ねる。
「次は君やで、璃沙。まだまだ強うなってもらうで〜。」
どうやら今度は私に訓練をつけるらしい。
このまま演習場でやるのかと思ったら出ていくので訓練室かと思ったら、それも違うようだ。
黙って後をついていく。
武器保管室?専用武器を取りに来たのだろうか。
なら、私まで来なくても…。
中に入ると亜白隊長がいて、慌てて敬礼をした。
「神谷璃沙、お前の専用武器だ。本当はもっと早く渡したかったのだが、なかなか出来上がらなくてな…。」
私の専用武器だと言うケースを開けてみると、中には銃と…刀?が入っていた。
刀のように反りがないので短剣かと思ったが、刃が片側にしかないので、短刀だろう。
「君は僕と違って銃器も扱える。」
扱えはするが、正直今の新人たちと変わらないだろう。
刀を左の腰に差し、後ろの腰に銃を指した。
「ほな、演習場行こか。もう怪獣も解放されとるはずや。」
2人はオペレーションルームで見ているらしく、途中で別れた。
銃を乱射し、近くの敵は刀で斬り裂く。
余獣は楽なのだが、本獣はどうだろうか。
本獣を見付け、何発も銃を撃ち込んでから刀で一刀両断した。
「君やと、ちと弱すぎたな。」
選別試験の時とあまり変わらないフォルティチュードだったようだ。