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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第6章 別の人


ご飯を食べて私の家につくと、すぐに後ろから抱きつかれて首の匂いを嗅がれる。

トレーニングの後そのままだからあまり嗅がれるのは嫌だ…。


「好きだよ。もし君があいつのとこに戻りたいと言うなら離してやる。だが、少しでもわだかまりがあるなら、まだボクといてくれ。」


うんと頷きながら顔を上げ振り向くと唇が重なり、離れるとお互いに擦り寄った。

少しの間、弦の体温を感じ、お風呂を沸かしに行く。


弦のことは好きだ、でもあの人と同じ好きかと言われると、そんなわけがなかった。


お風呂に入りテレビを見ながらゆっくりしていると、そろそろ寝ようと服の中に手を滑り込ませお腹を撫でられた。

頷くとベッドまで来てキスをする。


ゴム…持ってないけどいいか。
生でしたことがないわけじゃないし。


舌を絡ませて糸を引きながらゆっくり離れていく。

彼の目は熱を宿していた。


ポケットをゴソゴソとし出して、取り出したものを目の前に翳す。


「安心しろ、生ではしない。」


個包装の避妊具をヘッドボードに置き、また唇を重ねた。

キスをしたままお腹を撫でて服を捲りながら胸まで辿り着くと、下着をズラし突起を親指で弾く。

鼻にかかった声を漏らしながら身体が跳ねた。


散々口内を弄び離れた唇は愛の言葉を紡ぐ。


「本当に可愛いな。好き過ぎてずっと閉じ込めておきたい。オカッパのとこに戻したくないなぁ…。」


どうしてそんなに私を想ってくれるんだろう、私が同じだけのものを返せないとわかっているはずなのに…。

今までの男たちみたいに気持ちの篭っていない"好き"は言いたくない。

この人には嘘をつきたくないんだ。


「一緒にいても幸せになれない人のとこには戻りたくない。少なくとも今はそう思ってる。」


儚く微笑んだ彼が違うだろと呟いた。


「本当に好きなやつといるのが一番幸せだ。ボクのことは都合良く使えばいい。」


どうしてそこまで……この人のことを好きになれたら、どれだけ幸せだろう。

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