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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第6章 別の人


未だに腕を掴まれているが、自身の机の上にあるスマホに目線を移した。

弦から連絡がきてるかも。


手を伸ばして取り開いてみると案の定きていたが、スマホを取られてしまい何も出来ない。


「まだ僕と話しとるやろ。」


もう話したくないのだが…。


「私とは絶対生でしなかった。」


みんながいるのにも関わらず、拗ねたように呟く。


「当たり前やん、僕との子供欲しいん?」


いらないなんて言ってない、付き合う前からあなたのと子供は欲しいと思っていた。

すぐにというわけではなかったけど、そんな未来を想像出来た。


「約束したのに…。」


「ほんまにごめん。」


「離してください。」


嫌やと余計力を入れて引き寄せられる。


「璃子さんは…「やめて!いっつもお姉ちゃんばっかり特別扱いする!」…ごめん。」


上官になっても姉への対応は変わらないし、名前で呼ぶし敬語だし…寝たことがある人をそんな風に扱って、彼女が不安にならないことなんてあるのだろうか。


「すみません、気にしないでください。もう関係ないので……っ!」


ぐいっと腕を引っ張られてつきそうな程顔が近付く。

だがすぐに立ち上がり執務室を出ていく。


腕が痛い…。


「あの、逃げないので離してください。痛いです…。」


彼は謝りながら掴んでいる手を下ろし、手を握った。

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