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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第6章 別の人


試験が終わった帰り、少しどこかへ行こうと歩を進めた。

気付くと立川から少し離れていて、懐かしい街並みが見えてくる。


すでに空は真っ暗でここまで歩いてきてしまったのかと自嘲した。


「君、神谷か?何故こんなところにいる?」


突然声をかけられそちらを向くと、パーカーの帽子を深く被り目元が前髪で隠れている男性がいる。


「……鳴海隊長。」


じっとその人物を見つめて、数年前のことを思い出す。

そうだ私、この人に告白された。


「私と付き合ってくれませんか…?」


誰でもいいから私を慰めて欲しい、この寂しさを埋めて欲しい。


「わかった。行こう。」


彼は考えることもなく即答して、私の手を引いていく。


ホテルに連れて来られてそのまま浴室へと向かう。

ほらやっぱり…鳴海隊長はすることしか考えていない。

逆に私にはそれが都合がよかった。


隊服を脱がされて一緒にシャワーを浴びた。


浴室を出るとそのままベッドへ行き押し倒されて、唇が重なる。

あの人とする時のような、高揚感や幸福はなかった。
胸が高鳴ることもない。

それでもいいと首に手を回して応えた。

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