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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第5章 移り変わり


女の人の苦しそうな声が聞こえてリビングを覗くと、ソファの背もたれで姉の姿は見えないが、服を乱した宗四郎さんの身体が前後に揺れていた。

約束したのに…。


「っ、はっ…久しぶりの璃子さんのナカ、やばいっ…!」


「んっ、あっ…生だから、じゃないっ?あんっ!」


妹の彼氏だと知りながらするなんて…いくら酔っていたとしてもおかしいでしょ。

宗四郎さんだって…私と以外としないって約束したくせに。


私とは一度も生でしたことなんてない。


寝室に戻って、持ってきていた鞄の中からメモを取り出す。

そのままメモを残し、家を出た。


はぁ…死にたい。

どうせもう私はずっとひとりぼっちだ、いなくなってもなんの支障もないだろう。


家についてなんにもする気が起きなくてそのまま眠る。

けど、全然眠れなくて結局朝になってしまった。


行きたくない…そう思っても、今日は2次試験がある。

忙しくなるだろう。


今は5時、家を出るには早すぎるがどうせ眠れないので、トレーニングでもしようと基地に向かう。

彼からの連絡は一切きていない、別れるならそれでいいのだろう、姉がいるから。


基地についてトレーニングルームに来て、なんの為にトレーニングするのだろうと考えてしまった。

頑張る意味も、強くなろうとする理由も、全てなくなってしまった。

未来の子供たちの為に、とは思っているが、どうせ私1人の力じゃどうにもならない。

もう、何もかもどうでもいい。


何も考えたくないとひたすらトレーニングを続けた。

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