第5章 移り変わり
みんなお風呂に入り、おつまみを出して飲み始める。
あーあ、おつまみなんて作らなきゃよかった。
私が作ったおつまみは2人の口に合わなかったらしく、ほとんど減っていない。
買ってきたものや姉が作ったものだけが減っていく。
相当酔いが回った姉は宗四郎さんに泣きついている。
宗四郎さんもほんのり頬が赤くなって、酔ってるみたい。
昔から姉のことはあまり好きではなかった。
それは私がいつも姉と自身を比べていたからだと思っていたけど、私の彼氏だろうと関係なくくっついてしたことも謝っては来ない。
確かに2人がしたのは付き合う前だし、謝る必要はないのだろうけど、ずっとモヤモヤしていた。
結局、私の方が好きだと言ってくれた彼も、美人で明るい姉が好きなのだろう。
自身が作ったおつまみを全て平らげて、眠くなったからと寝室に向かった。
帰ってきてから彼と交わした言葉がおやすみだけなんて…。
別に眠くもないので布団の中に入っても眠れることはない。
「宗四郎さん、好き…。」
私だけなのかな…。
彼の匂いがついた布団の中に潜って包まれているような感覚に鼓動が早くなる。
お酒を飲んだからだろうか、トイレが近くなって寝室を出ていく。
それは寝室に戻る時に起こった。