第5章 移り変わり
あれから幾らか経ち、選別試験2次試験が明日に控えていた。
「璃沙、今日宅飲みしよ〜。璃子さんが静かなとこで飲みたいんやって。」
なんで姉が……。
どうやら宗四郎さんの家で飲むらしく、明日に響かないようにするみたいなのだけど。
まだ少し2人が一緒にいるのを見たくないと思ってしまう。
答えずに見つめていると肩を組まれて、耳元で囁いてくる。
「璃子さん、彼氏に浮気されて別れたんやって。やから、付き合ったって。」
彼氏がいることすら知らなかったのだけど…そして、妹の私が知らないことを何故あなたは知っているの?
私は何も答えてないのに、僕ん家で持っとって〜と言っていなくなった。
最近とても不安なのだ、結局好きだと言葉にされても本心なんてわかるはずない。
それに、してる時以外ほとんど言ってくれないのだ、不安になるのも当たり前だろう。
慌てて追いかけて好きだと伝えようと思ったけど、姉と話していたから声をかけるのはやめた。
付き合ってと言われて付き合ったけど、本当に付き合っているのかずっとわからなかった。
すでに彼を悪く言う人なんていないはずなのに、私たちの関係を知っている人は少ない。
「なんで、私と一緒に帰ってくれないの…。」
きっと姉と帰るのだろう、私は邪魔だとでも言うのか。
なら何故、私まで飲みに誘うのだろう。
2人っきりだといろいろと問題があるからだろうか。