第4章 過ちは消えない
執務室に入った彼は小隊長たちがいるが気にせずに扉を閉め鍵をかけた。
そんな彼の行動に小隊長たちはどうしたんですか?と声をかけていた。
それを無視した彼は先輩を睨む。
「未遂やったしこいつが過去にやってたんのも悪いから、あんま重い罰は与えん。やけど…男としては許せへんわ。」
名前を呼ばれ近付くと後頭部に回った手に引き寄せられて、優しく重なった唇がゆっくり離れていった。
先輩どころか小隊長までもえ…と驚いている。
「好きな人としかしない言うてたやろ?僕に決まっとるやんな?」
コクっと頷けばほんま殴りたいと呟いた。
副隊長はもうするなよと言って先輩を帰らせた。
「璃沙、僕今日機嫌悪いから気ぃ付けてや。」
なんで私!?私があんなことしてたのは悪いけど、八つ当たりじゃない?
「あ、みんなこのことは内緒にしててな?」
小隊長たちに向けて人差し指を口元に添えながら片目を開けてウィンクをしている。
破壊力は相当なものだろうと思ったが、何故かみんな怯えている。
それより、どうして内緒にするのだろう。
「副隊長の僕が彼女いるなんて知られたら、舐められてまうわ。まだ僕のこと良く思ってない奴らぎょうさんおるし。」
君までなんかされたら嫌やからと頭を撫でた。