第4章 過ちは消えない
「お姉ちゃんは保科副隊長が好きなの?」
あれからまた1年程の月日が流れた。
副隊長に訓練をつけてもらってから、どんどん解放戦力が伸びていき、強くなれた。
それでもまだ足りない、彼に守られるのではく、背中合わせで戦っていきたいから。
立川基地のNo.3となり副隊長とほぼ同じ業務をこなす日々に追われながらも、充実な日々を過ごしている。
私はバカだし仕事のプライベートも両立出来ないし、任された仕事も満足出来る程出来ていない。
オーバーワークで叱られることも多いけど、彼とは何度も身体を重ね、その度に甘い言葉をたくさん与えられた。
それでも不安になるのだ、愛しい人が私の姉を抱いた事実が。
「好きなのは好きだけど…仕事仲間とか上司としてとか、そういうのだよ?妹の彼氏なんだから。」
「彼氏?付き合ってないけど…。」
姉が驚いて言葉を発する前に後ろから頭を叩かれた。
誰だ、いきなり頭を叩くのは。バカがもっとバカになってしまう。
「なんで付き合ってないことなってるん?ん?」
肩に手が回され耳元で低く囁かれる。
「僕、1年前から付き合っとる気やったんやけど。」
え?だって…付き合おうなんて言ってない……。
それに姉にすら彼との関係を言っていないのに、付き合ってると思われていたんだ?
「経験豊富のくせになんでこういうことに関してはアホなんや。璃沙、借りますね。」
そのまま肩を抱いた腕に引き摺られて、後ろ向きに歩いているから怖いし、苦しい。
たまたますれ違った中之島にはなんかしたのか?と笑われ、亜白隊長には大丈夫か?と憐れみの目を向けられた。
なんで誰も止めてくれない…。
斑鳩に関しては見て見ぬフリをされた。
というか、どこに連れていく気なのだ。