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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第3章 未知


泣いたまま眠ってしまった彼女の身体を拭いて隣に横になる。


彼女とはどうしても素面でしたかった。

酔った勢いに任せるなんて嫌だし、優しく抱けるかもわからなかったから。

どんな人よりもどんなものよりも、彼女には優しくしたい。


擦り寄ってきた璃沙の頬を撫で、さらさらで絹のような髪に指を通す。


「すき…ふくたいちょ……。」


「っ!…ふっ、寝言やなくて、起きとる時の君の言葉で聞きたいな。」


ほな、僕もちゃんと返したるから。

もう誰にも渡さへん、君から言うたんやから。他の人としないでと…。


額に口付けて、壊さないように優しく抱き締めた。


好きな子も彼女も作らないと決めていたが、璃沙となら共に在りたいと思う。

初めて会った時からその気持ちは膨れ上がり、零れてしまいそう。


「よろしくお願いします。」


と笑った君の顔がとても眩しく感じた。

それだけで僕は恋に落ち、何がなんでも手に入れたいと思っていたが、彼女の姉としてしまい諦めようと思ったのに…。


璃沙の笑顔を見たのは、それが最初で最後。

また僕が君を笑顔にさせてみせる。


この子を抱けた喜びで寝れそうにもないが、ゆっくり目を閉じた。

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