第15章 新しい家族
「宗四郎〜でかい声で何言うとるん?」
いきなり扉の向こうから声が聞こえて肩をビクッと震わせた。
無視してええでとお腹にキスをし続ける。
男の人の声、宗四郎のお父さんではない。
もしかして…保科隊長では?
「保科隊長ですか?」
「ちょ…アホ!」
私が扉の前の人物に声をかけたから、宗四郎は驚いてアホしか言えていない。
そうやで〜と返ってきたので、足を踏ん張り手を伸ばして扉を開ける。
宗四郎が文句を言ってるが気にしない。
立ち上がった宗四郎が宗一郎さんと向き合う私の背中に手を置き、少し撫でると外された。
外された…ありえないんだけど。普通お兄さんの前でホック外す?
イチャイチャしてたのに宗四郎の言葉を無視したから怒ってる。
「初めまして、第3部隊所属、連隊長の神谷璃沙です。」
「あぁ、君が噂の…そないな子が宗四郎の嫁かぁ。敬礼せんくてええで。隊員として会っとるんとちゃうし。」
ありがとうございますと腕を下ろし、出来るだけ押さえられるように脇を閉める。
後で覚えといてよ…と宗四郎を軽く睨んだ。
気付いた宗四郎は眉を下げてしゅんとしている。
「泊まっていくん?」
「え?あぁ…いえ、ホテルに行きます。」
本当は私とご両親の雰囲気を見てここに泊まるかホテルに泊まるか決めようと言ってくれていた。
だからホテルの予約は取っていない。
でも、保科隊長がいるなら泊まれない。
宗四郎がゆっくり出来ないと思うから。
保科隊長は少し話すといなくなった。
「宗四郎!!なにするの!バカ!えっち!」
「僕はバカやしえっちやもん〜ふふん。」
上機嫌に服の中に手を入れてくる。
ふふんじゃないよ、ふふんじゃ…。
胸に辿り着いた手が膨らみを優しく包み込んでキスをしてくる。
そのまま身を委ねたかったが無理やり引き剥がした。
「ダメだってば…せめて帰ってからにして。」
「ホテル行くんやもんねぇ、僕としたくてホテルにしたんやもんねぇ。」
なんでそうなるっ!
「だ、だから…っ!」
せっかく引き剥がしたのにまた服の中に手を入れてくるので離そうとしたがやめた。
ホックを戻してくれてる。
「璃沙、好きやよ。僕の奥さん。」
額を合わせて優しく口付けを交わす。