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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第15章 新しい家族


インターホンを押しすと女性の声が聞こえてきて、一気に心音が大きくなった。

母さんと言っている。おかんとかではないんだ…。


宗四郎によく似た女性が出迎えてくれて、一緒に家の中に入った。


宗四郎のお父さんにも挨拶をし、結婚について話し始める。


「私は何も持っていません、ですが宗四郎くんを想う気持ちは誰にも負けません。不束者ですが、どうかよろしくお願い致します。」


頭を下げたが上げるのが怖かった。

家族もいない、一般家庭の私が宗四郎と結婚なんて…。


「顔を上げてください。璃沙さんのことは予め宗四郎から聞いとります。ご両親を亡くされたこと、お姉さんが亡くなったばかりや言うこと…苦しんでおられたこと…。」


まさか、私がしてきたことを言ったの?

顔を上げて宗四郎のお父さんの言葉に耳を傾けた。


「頑固者の次男坊のことをよろしくお願いします。」


もう一度頭を下げた。涙が零れそうだった。

私の過去を宗四郎から聞いているはずなのに、結婚を許してくれるなんて…。


「頑固者やけど、自慢の息子ですので…きっと、頑固やから璃沙さんのこと離さへんと思うのです。」


「頑固頑固言い過ぎやろ!「ふっ、ふふっ。」あ、笑うた。」


あぁいいなぁ、温かいな…。

宗四郎は信念があるとか意志が強いとか言うてやと嘆いていた。


顔を上げて宗四郎を見れば優しく微笑んでいた。


「泣くか笑うか、どっちかにしぃや。忙しいやっちゃなぁ。」


「ごめ、嬉しくて…。」


笑うててと頬を撫でて涙を拭いてくれた。


「ふふ、宗四郎もそないな顔しはるんですね。」


宗四郎のお母さんがお淑やかに笑う。

どんな顔?と宗四郎はポカンとしていた。

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