第15章 新しい家族
飛行機に乗って到着すると、ちょっと見て行かへん?と手を引かれる。
お店へと向かう宗四郎を見ながら、今更…これデートだぁと考えていた。
宗四郎、めっちゃ話しかけられてた…ほとんど女の人ばっか…。
少し空港周辺を観光しタクシーに乗って宗四郎の実家に向かう。
「あんま話さんくても大丈夫やからな。僕がちゃんとフォローするから笑ってれば大丈夫や。」
いや、そういうわけにはいかないでしょ…話もしない女を嫁にはしたくないでしょ。
「ありがとう。でもちゃんと話さなきゃ…家族になるんだから。」
私の家族…宗四郎の家族は私の家族になる。
そやね…と呟いた彼の声を最後に車内は静かになる。
実家に着くと宗四郎は運転手さんにサインを求められていた。
こんなにすごい人が私の旦那さんになる。
彼女…と言いかけた運転手さんは私の左手を見て、奥さんもサインお願い出来ますか?と聞いてきた為、慌ててまだですと答えながら普通に名前だけ書いた。
サインなんて作ってない。
「君も有名人やね、名前見て驚いとったな。」
まさか、こっちにまで私の名前が知られているなんて思わなかった。
まあ連隊長なんてどこの部隊にもいないから、それで知ってもらっているんだろう。
行こかと手を引かれて前を向くと開いた口が塞がらない。
室町時代から続いている家系だから予想はしてたけども、予想以上だった。
「結婚相手とか特に条件とかつけられてへんから、いつもの君でおったらええからな。君、めっちゃええ子やし。」
いったい私のどこを見てきていい子なんて言ってるんだ。
絶対に今までのことを口を滑らせて言うわけにはいかない。
さっきから安心することばっか言ってくれるけど、なんで私が不安になってたり緊張してることがバレてるのだ。
いつも通りの態度でいるつもりなんだけど。