第14章 隠し事
お腹に手を伸ばし撫でながらキスをされ、そのまま顔をお腹につけ優しく抱き締められる。
「性別は?わかってるん?」
「女の子…。」
少し前に性別はわかった。
悪阻も治まり、今のところは作業に支障きたすことはない。
「絶対可愛ええやん…はよ会いたい。」
すでに親バカになりそうだなと予感した。
「そや、顔色悪かったんはつわりやったん?」
「ん…悪阻で…。」
気付かんくてごめん〜と顔をお腹に擦り付けてくる。
気付かれないようにしてたから仕方ないと思うのですが…。
いきなりファスナーを下ろされ中に着ているTシャツを捲られると、お腹を撫でられた。
「結構大きなってたんやな……もぉ、言うてやぁ、いっぱい労ったんに…。」
「堕ろせって言われるのが怖くて……。」
「言うわけないやん。例え僕の子やなくてもそないなこと言わへん、一緒に育てる言うてたよ。」
あぁそうだ、この人はこんなに温かい人だった。
立ち上がりながら大好きやと呟き、唇が重なる。
ちゅっちゅと何度か口付けてから唇が離れた。
「式は産まれてからがええよな。今から準備したら産まれる頃なってまうかもやし。」
今まで隠していたのに、式のことまで考えてくれてるの?
ウェディングドレスは着たいが、私のせいでもあるので、式は挙げなくていいよと頬を撫でながら見つめた。
「着たくないん?僕は見たいんやけど、ウェディングドレス姿の君。ほんで、僕のやって見せつけたい。」
結婚式ってそんな風に見せつけるものだったっけ…。