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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第14章 隠し事


1ヶ月が過ぎると宗四郎と私は隊長室に呼び出された。


「神谷、もういいんだよな?小此木や中之島に皆に伝えるよう指示するぞ。」


「あ、先に彼に……宗四郎、妊娠6ヶ月…です…。」


閉じられていた瞼が上がり、目を丸くしている。

ごめん…そりゃびっくりするよね、怒るよね…。


宗四郎が何か喋ろうとしたが、亜白隊長が指示をし始めるので口を噤んだ。


「亜白隊長、この後少し時間をください。業務が遅れます。」


承諾した亜白隊長にお礼を言い隊長室を後にする。

応接室まで来て睨まれた。


「誰や、誰の子や。なんですぐ僕に言わへんの?」


誰って…まさか本当に覚えてなかったとは…。


「ご、ごめんなさい…6ヶ月になれば中絶出来なくなるから…。」


「別に僕の子やなくても、君が産みたいんやったら反対はせぇへん。」


両肩を掴まれて赤紫に穴が空きそうな程見つめられる。

本当に覚えてないの?という風に見つめ返した。

その目が気に食わなかったのか、なんやと不機嫌に返される。


「宗四郎の子だよ…他は絶対ない。」


時期がどう考えても宗四郎しかありえないから。

は?と瞳が揺れ、屈み込んだ。

頭を抱えて何かブツブツ呟いている。


「6ヶ月言うたか。やっぱあん時中出ししてたん…ゴムつけた記憶が曖昧やってん〜…ほんまごめん!せやけど、なんで言うてくれやんかったん?」


顔を上げて見上げてくる。か、可愛い…じゃなくて、したことはちゃんと覚えてるんだ。


「それでなんだけど…引退するまで結婚しないでしょ?大変だろうし、私1人で育てるから……。」


「はぁあ!?何言うてるん!?僕も一緒に育てる決まってるやん!結婚するしっ!今すぐする!出来たことも言わんし、なに1人で決めてるん!?」


めっちゃ怒ってる…いやまあ怒るのはわかるけど、もう少し声を抑えて欲しい。

庁舎に響き渡ってるんじゃなかろうか…。


わかったか!?と怒鳴られて、はいと頷くしか出来なかった。

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