第13章 復興の中で
「神谷はどうしたんだ?大丈夫か?」
「え?あぁ……寝とるみたいです。」
亜白隊長に聞かれ、少し確認すると寝てるようなのですぐに手を離した。
「そうか、そろそろいい時間だ。もう少ししたらお開きにしよう。」
みんなにも聞こえていたようで、了〜と間延びしながら答えている。
さて、寝とるわりにはしっかりと抱き締められとるんやけど、ほんまに寝とるんか?
名前を呼んで声をかけるが反応はない。
わからん…。
まあええかと思い、お開きになるまで好きにさせた。
帰ったら抱こ…僕はもう完全にその気になっている。
酒飲むとムラムラする。この体質、どうにかならんかな。
その後も酒を流し込みお開きになったので、璃沙を起こそうと試みるが、起きる気はないらしい。
ちゅーか、ほんまにすごい寝方しとるな。
いつの間にか腕だけではなく足まで僕の身体に絡ませている。
そのまま座って寝ているのだから、感心してもおかしくない。
「璃沙、せめてこの手離してや。」
腕を引き剥がそうと掴むと意外にもすんなり離れて、首に回った。
起きとる?
起きてても相当眠いのだろうと思い、首に回している腕と尻に手をやりながら立ち上がろうとしたら、ふらついて危なかった。
僕もやばいわ…めっちゃ酔っとる。
「大丈夫か、保科。」
「あ、はい。大丈夫です。」
声をかけてくれた亜白隊長に会釈しながら答え、全然落ちなそうな程しがみついている璃沙の太腿を一応持った。
タクシーを呼ぼうと思ったが、恐らく璃沙が離れないので歩いて帰ることにする。
そこまで遠くはないので大丈夫だろう。