第13章 復興の中で
「付き合ってないというのは無理があるだろ。追悼式の前日から朝まであんなことしてて…今だってそんなイチャイチャしてる。」
まさか亜白隊長の口からあんなことやそんなこと…じゃなくて、思い出させないで欲しい。
あの時は本当にお互いぐちゃぐちゃになってて、見られても恥ずかしさなんて感じなかった。
今思い出すとめちゃくちゃ恥ずかしいのだが…。
「神谷、保科に振り回されてないか?あの日も保科が相当がっついていただろう?結婚のことだって、いいのか?こいつ、相当お前のこと好きだぞ。」
お前が振り回せる立場だぞと悪い笑顔で見てくる。
亜白隊長もこんな顔するんだ…。
「まあ、承諾はしてますから…それに、私も充分振り回してますし……その、私も…相当、好き…なんで…。」
酔っててもこれは恥ずかしい!
ひゃああぁあ…となり、宗四郎の背中に隠れた。
「そういうことなんで、亜白隊長は日比野をお願いします。」
「なんのことだ?」
「あれ?お2人はそういうのではない…?」
どうしよう…!みんなの前で好きとか言っちゃったよ!
トップ2の会話なんて何にも聞こえていなかった。
顔上げれない……ぎゅう…と宗四郎の隊服を握って背中に顔を押し付ける。
「璃沙?おーい、りっちゃん?璃沙ちゃ〜ん?そんな隠れへんでもええやろ。」
いや、呼び方。璃沙かりっちゃんどっちかでいいだろう。
いきなり宗四郎が前に倒れて、私も宗四郎の上に倒れてしまう。
「あれ、離れる思たんやけどな。」
離そうとしていたのか。
というか…余計恥ずかしくなった。
宗四郎の上に乗ってるなんて…慌てて彼の隊服を引きながら起き上がる。
「そんな握られとったら皺んなるし、引っ張ったら伸びる!顔、見せてーな。」
片手をゆっくりと離されてグイッと前に引かれる。
痛いのだが…顔が背中に先程よりも押し付ける形になって、顔が潰れる。
しゃーないなと自身のお腹を抱き締めさせ、お酒に向き直る。
そのまま抱き締めているといつの間にか寝てしまっていた。