第13章 復興の中で
飲み会も終盤に差し掛かり、隣で飲んでいる宗四郎はありえない程にべろんべろんだ。
「飲み過ぎでは…。」
「僕なぁ、君と最初別れた時あるやろ?あん時飲んで、その後璃子さんに無理やり飲まされてから飲んでないねん。」
今は君もいるしええやろとのしかかってくる。
全部、姉絡みなんだが…。
もぉ〜と悪態をつきながらも笑っていた。
悲しみが癒えたわけではないが、いつも私の隣には宗四郎がいてくれるから、笑顔でいれる。
それでも泣きたくなる時はあって、そんな時は宗四郎が胸を貸してくれる。
この人がいるから私は今生きていけるわけで…想いが溢れてつい、ぎゅうと抱き締めてしまった。
「ちゅーもしてええで?」
「大好き。」
胸に彼の後頭部がある状態で頭にキスをした。
あぁ、私も酔いが回っているようだ。
「ちょっと、イチャイチャしないでくださいよぉ…今日は俺が主役じゃないんすか?」
「は?何言うてんねん。みんなが主役やろ。お前だけ頑張ったんちゃうねん。」
日比野に話しかけれた宗四郎は私の胸で少し声を低くした。
俺も彼女欲しいー!と叫ぶ日比野がおかしくて笑ってしまう。
するといきなり宗四郎がグッと上がってきて、目の前に宗四郎の後頭部がくる。
「璃沙の笑うた顔は僕だけのもんや。誰も見んな!」
宗四郎の肩に顎を乗せて顔を出し日比野を見る。
「私、宗四郎の彼女じゃないよ?……え?」
いきなり周りが静まり返り、みんなが私を見てくる。
「そうやな。付き合うてへんな。まあ、婚約はしとるけど。」
みんなの頭に?が浮かんだようだ。
まあそういう反応なるよねぇ…。
「婚約言うても、結婚はいつなるかわらんし。何十年も先なんやないかな。な、璃沙。」
引退するまで待っててと言われた。
頷くとみんながはぁあっ!?と息を合わせて声をあげる。