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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第13章 復興の中で


そこまで怪我が酷くないのですぐに立川に戻ってきて、仮眠室で愛しい人と唇を重ね合わせる。

侵入してきた舌は必死に私を求めてぐちゃぐちゃに絡ませる。

私からのキスが欲しかったんじゃないのか…完全に彼のペースなんだが。


「明日、追悼式がある…。」


離れた唇はまた重なり舌は絡む。


「犠牲のおかげで今の僕らがある。」


くちゅくちゅと水音を奏でて口内を擽られた。


「弔う義務がある。」


唇を挟み吸って啄むように唇を重ねる。


「どんな奴のことも忘れたらあかん。」


待って…このまま続けるの?

絡んだ舌がまた離れた。


「僕は君を愛しとる。」


その言葉を最後に押し倒されて、口内を貪られた。

ガツガツ重ねられる唇に必死に応えて、唾液が口の端から零れた。


宗四郎の心が荒れている。

でも、そんなのは私も一緒で…お互いに歯をぶつけ合いながら激しい口付けを交わしていた。


ぐちゃぐちゃに抱かれたい……。

意識を失う程激しく抱かれて、全てを忘れたい。


私たちは一晩中唇を重ね、朝になって呼び出されてもその唇は離れなかった。

抱かれたいのに…キスしかしてくれなかった。


扉をノックされても返事をせずに舌を絡ませる。


追悼式って何時から…。


覆い被さっていた宗四郎は私の横に寝転び、また唇を重ねる。


「お前ら……返事がないから心配したんだぞ。」


亜白隊長や数名の隊員が鍵を開けて入ってきた。

衣服の乱れは一切ないが、いつまでも絡まる舌。


「追悼式だ、早く準備をしろ。出ないのなら、それ相応の処罰を与える。」


「……出ますよ。僕らは出なあかんのです。」


身体を起こし私の頭を抱えた彼が、舌を絡ませながら起き上がらせてくれる。


「ならもうやめろ。そんな形で悲しみをぶつけ合っても意味はないぞ。」


「わかってます、すみません。」


亜白隊長たちが出ていって、私たちも着替える為に仮眠室を後にした。

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