第3章 未知
「ん…?」
気付いたら唇が重なっていて、いつの間にかキスをされていた。
啄むように何度も唇を食まれ、脇腹を厭らしく撫でる。
「なぁ…やっぱ今日飲むのやめにせぇへん?」
「どうして……。」
キスをしてやっぱり無理だとなったのだろうか。
飲んだら酔った勢いでしてしまうと思ったのだろうか。
おつまみを口にした彼はまた口付けて口移しで食べさせてくる。
「君、食わせんと食わないやろ。」
ほんまは栄養あるもんがええんやけど…と今度は別のおつまみを口に押し込まれた。
「飯食わんと体力も筋力もつかん。ゆっくり風呂に浸かって疲れ落としてリラックスする。寝るのも仕事やで?寝ぇへんと疲れ取れんし、集中力もなくなる。」
わかっとるか?とまたおつまみを口に押し込まれる。
ん、と短く返事をしながら噛み砕いた。
そのまま食べさせられているとお風呂が沸いて脱衣所に連れていかれる。
隊服のファスナーを下ろされ、慌ててその手を掴んだ。
「なんや、他の男には見せるくせに、僕はあかんのか。」
「そういうわけじゃ……。」
副隊長だから恥ずかしい…姉の身体を知っている彼に知られたくないとも思うし、知って欲しいとも思う。
俯いていると掴んでいた手を逆に掴み返されて、お風呂の扉に押し付けられると唇が重なる。
少し離れると至近距離で開かれた目に見つめられた。
「後で全部見る。ゆっくりしてき。」
「え?なに言って……あれ?」
頭を撫でられて気付くと隊服は下まで下ろされ、インナーは胸が出る程捲られていて、下着は下にズレてお尻が見えていた。
唇が触れ合うだけの軽いキスだったはずなのに…。
微笑んだ彼は脱衣所から出ていった。