第12章 大切なあなた
死力を尽くし地面に倒れ込んだ。
もう腕も上がらないし足に力も入らない。
指示をする為に叫び続けた喉ももう限界だった。
9号もとい明暦の大怪獣は日比野、亜白隊長、宗四郎、鳴海隊長、四ノ宮等、たくさんの者の力で討伐され、戦いが終わった。
私たちはこの大災害を乗り切った、勝ったんだ。
だが、失われたものも決して少なくはない。
それでも勝利と呼べるだろう、勝利の雄叫びが聞こえる。
「璃沙、やったな。僕らの勝利やな!はよ"愛してる"言われたい!」
「ん"…はぁ、はぁ…。」
「どしたん?」
「動けない…。」
声が掠れているし、声を出す気力もない。
宗四郎は元気なのにな…。