第12章 大切なあなた
「こちら調布地区、第3部隊古橋伊春!!長野より現着!!」
古橋…?
次々と報告が上がってくる。
各地に散っていた第3部隊の優秀な新人たちが専用武器を携えて、各戦場に舞い降りた。
新世代が躍動する。
増援の体力が尽きるまでにどうか…日比野、9号を倒して…!
「璃沙、ここは頼んだ。」
「え?」
「僕はあっちに行く。ここの指揮を執れ!」
私が?バカ過ぎるからと小隊長にもなれない私が、指揮を執る?
「経験は充分に積ませた。出来るやろ。僕の女なんやから。」
「っ、了!…どうか、死なないで…。」
「死なへんて、安心してや。君を独りにはせん。やから君も生き残って、僕に"愛してる"言うて。」
全力で返事をして見送り、怪獣群に目を向けた。
何体も何体も倒して、隊員をこれ以上失わないように指示をする。
私は唯一憧れるあの人にここを任された。この世でもっとも愛する人に任された。
もう何も奪わせない。