第12章 大切なあなた
宗四郎が10号と意志を合わせ、完全解放した。
どこまでも強くなっていく…だから私も強くならなければいけないのだ。
この戦いで成長する。
完全解放した2人は12号を圧倒した。
そして、宗四郎が二刀を両手に持ち、一刀は10号が尻尾で持っている。
2人だから出来ること…三刀で敵の四肢を斬り落としていく。
「7式。」
12号の攻撃を躱し低く姿勢を保った彼の援護をする。
7式がどんな技かは知らない、だけど…前に夢物語のように話してくれていた。
超高速12連撃の一点集中。十二単。
今の宗四郎なら、どんな技でも見せてくれる、そんな気がした。
核を狙った12連撃目の攻撃はその刀のような腕で防がれた。
「怪獣、僕の勝ちや。結局僕は、繋ぎ役が性に合っとるようやな。」
宗四郎の腰から離れた尻尾は弧を描きながら宙を回転し、項から核へと刀を突き刺した。
12号はまだ戦おうと斬られた腕を再生する。
だが、核に亀裂が入り12号は倒れた。
「怪獣12号。敵ながら天晴やった。」
やった…宗四郎が12号を倒した。
「ひ…標的…生体反応消失!保科副隊長、神谷隊員……12号討伐成功!!」
私、ほぼ何もしてないけどな…。
小此木の言葉に安堵して、涙がぽろぽろと零れていく。