第12章 大切なあなた
今ならわかる、どれだけ意志を揃えてもスーツの解放戦力が上昇しなかった理由が。
あたりまえや、僕らの根源が揃っとらんかった。
「しっかし……僕の原動力が"楽しいから"?そんなん単細胞過ぎて、ほんまにお前みたいやないか。」
「だから言っただろう、俺もお前は似ていると。」
根源が揃ったことで83%で止まっていた解放戦力が上昇していく。
でもまあ、楽しいのもあるけど……。
「璃沙と一緒に戦っていきたいから。いつまでも笑顔でいて欲しいから…。」
いつからか、それが僕を突き動かしていた。
彼女がいれば僕はいくれでも強くなれる気がした。
「……それでも五分…奴の能力なら、この状態の僕らにも順応してくる。チャンスは一度や、しくじれば今度こそ死。」
死ぬわけにはいかへん。
さっきあんなに泣いとったんや、死ねば笑顔にするなんて叶わん。
僕が彼女を笑顔にすると決めた。
「ええか10号……楽しむぞ。」
「無論だ。」
ナンバーズ10、完全解放。解放戦力100%。