第12章 大切なあなた
首っ!首を斬った彼の攻撃によって、核が顔を覗かせる。
もう一度宗四郎が首を狙うと怪獣は腕で防いだ。
あの刀のような腕は固すぎる、宗四郎の刀が折れてしまう。
すぐに折れた刀を捨て別のポッドから取り出し、刀伐術と抜討術を組み合わせて攻撃の手を休めない。
努力は無駄にはならない、私はそれを間近で見てきた。
初めて会った時から彼はずっとずっと刀を振り続けてきた。
どんなに無理だと言われても、その努力を周りに認めさせてきた。
私が唯一憧れた存在…途方もない努力で力を身につけたあなたが私の中で大きくなっていく度、あなたは前に進んでいく。
だから私も努力して置いていかれないようにするのだ、目の前のあなたを見ていたいから…。
宗四郎の目の前で12号が抜刀の構えを取った。
すぐに腰から鞘を取り、刀と鞘で防御する。
私に今出来ることは……。
吹っ飛ばされた宗四郎を見て銃を構え、力を溜めていく。
立ち上がった宗四郎に刀を振り翳す12号を見据えた。
視界が歪む。違う、そんなことありえない、宗四郎はこんなとこで終わらない、私が終わらせない…!
「宗四郎の未来は私のもの…。」
トリガーを引けば、放たれた弾は12号の…頭を撃ち飛ばした。
涙で視界が歪んでズレてしまった、そのまま腕は振り翳される。
走っても間に合わない…ならもう一度撃ち抜く!
弾は刀にあたり少し軌道がズレて、10号が尻尾を犠牲にして宗四郎を守り切った。
呆けた宗四郎は10号の言葉に耳を傾けている。