第12章 大切なあなた
その後は11号から15号と識別クラスの大怪獣が同時に5体も現れて、12号を私と宗四郎で討伐することになった。
10号よりも何もかも上…10号ですらあれ程の痛手を負ったのだ、正面相当きつい。
何よりも、私はナンバーズを装備した宗四郎の足手まとい…いない方がいいんじゃなかろうか。
宗四郎は私を庇いながら戦っている。
そして、宗四郎の刀が折れた。
今目の前にいるのは、10号の完成品…12号。半端な覚悟で勝てる相手ではない。
私は何の為に存在価値を見出してもらったのか、何の為に強くしてもらったのか…それは決して、この人に守られる為ではない。
「両親を殺した怪獣を根絶やしにする為…この国の未来を守る為、宗四郎と一緒に駆け抜けてきた!」
「神谷隊員、解放戦力98%!!」
ここで終われない…宗四郎は私を庇いながらなのもあるが、遅れを取っている。
宗四郎とぶつける為に生み出された怪獣…こいつを2人で倒してこそ、本当の意味で私たちの存在を証明出来る気がした。
私がどんなに強くなったとしても、宗四郎には追いつけない…だけど私は常に、守られる側ではく守る側で在りたいと思っている。
「璃沙!やるで、ここは僕らの戦場や。出来損ないの意地、見せたろうや!!」
出来損ない…?
私は確かにそうかもしれないが、もう誰もあなたを出来損ないなんて……。
「うん、やろう。」
すぐそこに私たちの未来が待っている。