第12章 大切なあなた
「副隊長か。怪獣よりあの人の方が…よっぽどバケモノだな。ノーマルスーツでそれについていける神谷もバケモノだ。」
そんなことを言われてたとは露知らず、漫才を始めた2人をポカンと見つめた。
隊員を殲滅するだとか、今の怪獣は飽きたから別のとやりたいとか、尻尾を地面に刺して駄々を捏ねる10号と、それをぎゃーぎゃーと怒る宗四郎。
まだ解放戦力は77%のようだが、すでにノーマルスーツで全開放のあなたと一緒に戦っているようだったよ。
宗四郎はまだまだ強くなる。
嬉しいはずなのに、なんだか悲しくなった。
置いていかないで欲しいのと…その力の代償…。
「璃沙、疲れてへん?」
「大丈夫だよ。」
マスクを外され、軽く口付けられる。
「よし、回復した。もうちょい頑張ろな。」
回復したって、なにが…。
行こかと腕を引く彼についていく。