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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第12章 大切なあなた


え……いきなりギャリッと音がして宗四郎が消えた。

宗四郎が立っていたところに円形の穴が空いており、覗き込むとそのままの格好で落ちていく彼が見える。


「嘘でしょ…作戦は……っ!」


敵密集地帯…すぐに私も飛び降りて援護をしようと試みるが、なんというか、えーっと…?

全然息が合っていない。

左に行こうとした宗四郎と右に行こうとした10号。

10号が地面に尻尾を刺したことで、宗四郎は後ろに引っ張られる。


それから2人は文句を言い合いながら攻撃を躱すのだけで精一杯だった。

どうにか私も援護をしているが、なんだかもう少しな気がして、それ以上は手は出さなかった。


宗四郎が今日は僕が合わせたると言うと、スーツがミシミシと音をたてて強化されていく。

精神同調を始めて、解放戦力が上昇していった。


「璃沙、僕のこと好き?」


「え?好きだよ?」


「ほな行くで、10号。死ぬわけにはいかん。正面突破や。「死ぬ気でついて来い。」」


え、すご…笑った彼は一瞬で周りの怪獣たちを倒してしまった。

最後の1体もいつの間にか倒されていて、彼はすぐに駆け出す。


「次は滑走路掃除や。」


解放戦力がどんどん上がっていく。

宗四郎は窓から飛び出し、目の前の怪獣の腕を切り落として交差討ちで斬り裂いた。


2体の怪獣が彼の前に立ち塞がる。


「避けへんぞ、お前だけで防ぎ切ってみせろ。」


10号はその自慢の尻尾で攻撃を防ぎ、砕いた。

破片がパラパラと落ちていく。


「不合格。僕に破片あたってるやん。」


あーあ、なんで私の好きな人はこんなにもかっこいいのだろう。

スーツといがみ合いながらも解放戦力はどんどん上がっていく。


奥の黒くて一際大きい怪獣を見つめた彼は正面から行くようだ。


「ほんま不本意やわ。こんな脳筋みたいな戦い方……性に合わん。」


駆け出しては何体もの怪獣を斬り伏せていった。

性に合わない、ね…どこがですか?

10号と同じくらい楽しんでいるようだ。


黒くて大きい怪獣は八つ裂きにされた。


私も何体か倒したが、ほぼ宗四郎が狩り尽くした。


調布飛行場内は掃討出来たようだ。

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