第12章 大切なあなた
「あっ、あっ…や、宗四郎…イっ……え?」
ガチャとリビングの扉が開き、私を刺激する動きが止まって、私の腰は刺激を求めて勝手に揺れた。
「私のは舐めてくれたことないのにぃ!」
姉が入ってきて叫ぶ。
嘘…イきたいのに…。
こんなの、言い逃れようもない。
ブラに引っ掛けられたTシャツは胸の上で止まり、下は何も履いておらず、宗四郎が未だに顔を埋めている。
開いていた目を閉じてまた口を押し付けてきた彼は、先程よりも激しく舌や指を動かして、私はすぐに達してしまった。
ゆっくりと指を引き抜き顔を離して立ち上がる。
「邪魔せんでくれん?入ってくる前から気付いとったやろ。」
「なっ……別れたんじゃなかったの!?」
ガクガクと震える私の腰を支えながら左腕を持ち上げられる。
「そやな、別れたで。」
薬指を口に含んで、指輪を強調しているようだった。
どないしよ…と掴んでいる左手を自身の股間にあてがう。
ソコは限界まで膨らんでいるようだ。
「これはさすがに我慢出来へんのやけど…しゃーない、トイレ行ってくるわ。」
Tシャツに指を引っ掛け下ろされ、足首まで下りた下着やズボンを上げて丁寧に履かせられる。
後ろを向かせられ、ブラのホックを戻した彼はリビングを出ていった。
「……っ、待って!」
私だけ気持ちよくしてもらって何もしないのはなんだか嫌だった。
追いかけようとしたがすぐに肩を掴まれ、私がすると姉が飛び出していく。
どうしたらいいんだろう…あんな場面を見ても姉は彼としたいんだろう。
このまま私が譲れば、姉の離れた心は戻ってくるだろうか。
だがやはり、私を慰めてあんな風になった彼を姉にされるのは嫌だった。