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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 離れゆく心


私の姉、両親を失ってたった2人だけの家族となった。

私から全てを奪うくせに唯一与えてくれたのは、姉として妹を思う、彼女の心だった。

男と寝て虚しく家に戻ればいつも温かい笑顔をくれた。

嫌いだと思っていた人は、私のかけがえのないものになっていたのだ。


今私を腕の中に閉じ込めるこの人が、私たちにとって大きな存在となり、彼女と築き上げた脆い信頼は崩れ去っていく。

姉は本当に副隊長を好きなのだろうか…もし、私がこの人を選ぶことで離れていくと言うのなら、私はこの手を手放そう。

血の繋がった家族よりも大切なものなんてない。


「お姉ちゃん…。」


話し合わないと、もう大切なものがこの手から離れていかないように…そう思い、愛しい人の腕の中で目を閉じた。

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