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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 離れゆく心


副隊長は酔っているくせに手際良くご飯を作り、10分程でテーブルに運んでくる。

もやしと豚バラ肉を電子レンジで温めただけのようだ。

ポン酢をかけて口に運ばれる。自分で食べれるのに…。


美味しいありがとうと擦り寄り、気付かれないように涙を流す。


「もう泣きやんで…ほら、笑うて!美味いんやろ?」


すぐに気付かれてふふっと笑った。

幸せだなと思って出た涙なのに…襲われそうだから助けてと呼ばれ、嬉しい言葉を散々言われ、美味しいご飯まで食べさせてもらえる、やっぱりこの人の隣しか私の幸せはないんだと思った。


「璃沙の居場所はここにあるやんか。あんな言葉、もう気にせんで。」


「ごめん、違うの…今は嬉しくて……ありがとう。」


一度ぎゅうと抱き締められると、次々とご飯が口に運ばれてくる。

自分で食べれると言っても聞く耳を持たない。

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