第11章 離れゆく心
無視をしてそのまま彼の胸に頭を預ける。
どっちや!?とテンションが高い彼にうるさいと言って目を閉じた。
「え〜寝るんか!?僕、興奮しとるのわかっとるやろ!?あたっとるやろ!?寝ぇへんでぇ…。」
上官に対してうるさいと言ったのに怒られなかった。
さっきまで普通だったのにな…急にうるさくなった。
「うるさいってばぁ…。」
「ははっ、すまんすまん。それより、ちゃんと飯食うたか?」
ちゅーか風呂は?と聞かれて汗をかいていたことを思い出し、慌てて離れる。
絶対汗臭いって思われた…。
急いでシャワーを借りてついでにTシャツまで借りてリビングに戻る。
よかった…と呟くと何が?と聞かれてしまった。
「お姉ちゃんに襲われてなかった。」
「ふはっ!寝とるんとちゃう?大丈夫や、襲われへんから。まあでも脅されとるから、いつどうなるかわからへんけど。」
脅されてる?なんで?
どうやら私と付き合ってる時に姉としたことが原因で別れたのを、みんなに言おうとしているらしい。
最低じゃん…というかそれって、姉の立場も悪くなると思うんだが…あぁ、無理やりされたとかでも言うのかな。
その時、私のお腹からものすごい音が鳴って盛大に笑われた。
やはり、彼といると身体が正常の反応を見せる。
「食ってへんのは夜だけか?」
「……お昼も。」
ボソッと呟くと、腹ごしらえしたらお仕置やなと言われた。
見るって言った人が見ないからいけないんじゃん、とこの歳にもなって何も出来ていない奴が心の中で悪態をつく。