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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 離れゆく心


「えっと…なんで呼ばれたの?」


「やから、助けて欲しかったんや。貞操の危機やったわ。」


貞操ね…あなたは酔っ払ったら貞操観念低いけどね。


2人共私を挟むように座って、姉に関しては私を退けようとしてくる。

守って〜とだらしなく私に縋る副隊長を可愛いと思った。


「なによ!中学ん時から男に媚びってやりまくってたくせに、今更お姉ちゃんのを取るの!?」


いつお姉ちゃんのになったのだ…副隊長とは付き合ったことすらないだろう。


「聞かんくてええから。酔っとるからこないなこと言うとるだけや。」


耳を塞がれて引き寄せられる。

姉を庇ってるようにも聞こえて辛い。


姉が喋らなくなったのか耳から手を離されて、後ろから肩を抱かれた。


「璃沙なんかいなくなればいいのに。」


え…なんでそこまで言われなきゃいけないの?
ずっと嫌いだったけど、たった1人の家族なのに…。


「僕はおって欲しいよ。璃沙に生きてて欲しい。」


倒れそうな程後ろに引かれて上を向くと、影が落ちた。

唇が重なって離れると耳を塞ぐように頭を引き寄せられて、その胸に閉じ込められる。


「神谷、お前はもう寝ろ。帰さへんのありがたく思いや!次璃沙になんか言うたら許さへん。」


呼び方が……心にナイフを刺されたような痛みが少し和らぐ。


姉はベッド使うからね!と言って寝室に行った。


副隊長が本気で怒っているのが伝わったのだろう。

まあ伝わらない方がおかしいが…こんなに怒っているところは初めて見た。

声は驚く程低く、私を抱く手が拳を握って震えている。

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