第11章 離れゆく心
脱力し涙を流しながら口で息をし、青ざめて固まる彼を見つめる。
「っ、あ…あかん、ごめん…ナカにちょっと出てもうたかも…間に合わんかったかも…ごめん、ごめん…。」
ごめんと何度も呟いてピル…と言いながらスマホを見始める。
「出来たら、いいね…。」
スマホを取って微笑んだ。
見開かれた赤紫は不安で揺れている。
ごめんと呟きながら私を抱き上げて寝室を出ると脱衣所でTシャツを脱がされ、綺麗に身体を洗うと肌と肌を重ね合わせた。
「こないな抱き方するつもりやなかったのに…ほんまごめん璃沙…愛しとる。」
「私も愛してる。」
「出来たら責任取るから…死ぬつもりなんてあらへんから…。」
こんな形で彼を繋ぎ止めたくはなかったが、それでも重なった肌の温度が心地よくて、本当に出来てたらいいなと心の中で呟いた。
そう思っていたのに…。