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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第3章 未知


「ほら、まだやで!訓練が終わるまであと1分。100回打ち込んで来い!」


1分で100回ってどういうことよ…。


訓練室でスーツを着て非常用のナイフを片手に、専用武器を持つ男に攻撃を繰り返す。

全て、躱される。


「神谷、お前…やっぱ刀剣の方がええな。解放戦力が伸びとる。」


このまま僕と頑張ろなと微笑んで頭を撫でられた。

その顔をボーッと見つめ、見た目とは裏腹に心臓はうるさかった。


「宗四郎くん、璃沙!終わった?」


保科副隊長は終わりましたと返し、私はコクっと頷いた。

副隊長になったのに、ずっと姉には敬語なんだ。


「次は1分で100回打ち込めるようにしとき。」


彼はそう言って姉に駆け寄る。

だから無理ですって。


姉と一緒に訓練室を出ていく彼を見送り、ナイフを握った。

次がいつなのかはわからない、だから今やっておかないと…。

100回は無理でも、私に訓練をつけたことを後悔させたくなかった。


せめて60回、1分で打ち込めるようにしよう。


「神谷さん、そろそろ終わりにした方が…。」


「小此木…続けさせて。あともう少しだから。」


私が立川に来た時に入隊したオペレーターの小此木が通信機からやめるよう声をかけてくる。


もっと早く、もっと、もっと…!

あの人を驚かせたい、喜ばせたい、強くなって背中を預けてもらえるようになりたい。


何度も腕を振り、30回を60回に出来たとこで力尽き、床に倒れ込んだ。

苦しい…オーバーヒートだ。

鼻や口から血が吹き出る。

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