第14章 京
「「婚約?!」」
いきなり爆弾発言に二人で驚く。
「父上が決めた人とね。何度か会った事はあってとても優しい方よ。この時代じゃ政略結婚なんて殆どよ」
戦国時代は政略結婚が殆ど‥‥現代この時代では結婚の価値観が変わっている。
「嫌じゃないの?好きでもない人と‥」
琴葉が少し悲しげに聞く。
「嫌とかはないわ。家を守るためだし、それが私の使命だと思ってる」
この時代の人達は覚悟が違う。生活するにも、結婚するにも。
「でも、生まれ変わったら、好きな人と幸せになりたいわ。来世に期待ね」
パチンっとウィンクをしてポジティブにしているが、心の内側考えると計り知れない。
「千、何か悩みとかあったらすぐ言ってね。力になるから」
「私も!なんでも言ってね!」
「二人ともありがとう。私の方こそ、何かあったら相談乗るわよ」
あ、そうだと言って千は部屋を出て、少ししてから誰かを連れて戻って来た。
「美桜、琴葉。私の妹の豪よ。ほら豪、会いたがってた二人よ」
千の後ろからひょっこり顔を出した女の子が恥ずかしそうにしながら挨拶をしてくれた。
「初めまして、美桜さん、琴葉さん。豪と申します。お二人の事は姉から聞いております。ずっとお会いしたかった‥‥!」
可愛い、めちゃくちゃ可愛い。いかにもお姫様って感じでお淑やかそうだ。
「お豪ちゃんって呼んでいい?」
「はいっ。嬉しいです!」
千は美人系の元気なお姫様で、お豪ちゃんは可愛い系の王道お姫様という感じだ。
お豪ちゃんも加わり女子会はさらに盛り上がって気付けば部屋に西陽が射していた。
「来てくれて本当にありがとう。明日も来てくれると嬉しいけど、どうかしら?」
琴葉は午後からなら問題ないと言うので明日もお邪魔する事になった。
「楽しかったー!お千ちゃんもお豪ちゃんも優しいし可愛かった!」
はじめはあんなに緊張していた琴葉に楽しかったと言ってもらえて良かった。