第11章 ずっと前から
いやらしく笑う声。
そのまま敏感な蕾を指先で何度もなぞり、濡れた花弁をじわじわと引き開いていく。
悠「これ、五条さんにも見せた?」
「……っ、見せてない……見せてないから……っ!」
そんな否定の声すら、彼には愉悦のスパイスにしかならなかったらしい。
指が1本、2本と容赦なく押し入ってきて意地悪に、ぐにぐにと中を掻き回される。
「はぁ……っ、ゆ、うじ、やだ……っ、そん、なとこ……。」
悠「やだ? どこが?」
「っ……そ、こっ……!」
ぐりゅ、と指を回されるたびに背が跳ね、膝がガクついた。
片手で腰を押さえられたまま彼の膝が、ぐいと割れ目を押し広げる。
その姿勢でのまさぐりは、逃げることもできない。
悠「……こんなにキツくて熱くて……中が俺の指、吸ってるよ。」
「言わないで……お願い……っ。」
悠「お願いしても、ダメ。……今は、俺が全部好きにして良い時間だから。」
荒く息を吐くたび耳元で囁かれるその言葉が甘く冷たく、脳を支配していく。
悠「じゃあ……また、入れてあげようか。俺の、でかくて熱いの全部。」
ぞくり、と背筋が走る。
挿れられる前から、その圧に呼吸が詰まるほどだ。
先端が濡れた入口をぬるりと擦るたびに、身体が勝手にびくんと跳ねた。
悠「……力抜いて。じゃないと、奥まで届かないよ?」
「ひ、っ……や、だめっ、あっ……!」
一気に突き上げられた瞬間、息が止まった。
奥まで届くように深く熱く悠仁の怒りと欲望を詰め込まれたそれが、全部を塞ぐ。
悠「ねえ……中、さっきより締まってる。なんで?」
「や、だって……っ、そんな、激しいの……っ!」
悠「そっか。じゃあ、もっと激しくしても大丈夫だ?」
腰が何度も、打ちつけるように重なってくる。
そのたび、資料棚が軋む音が、部屋に響いた。
わざとらしく抑えた喘ぎ声、言葉責め、いやらしい音──
すべてが、彼のものになっていく証明のようだった。