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モニタリング

第11章 ずっと前から


資料室に充満していた熱気が1度の絶頂でわずかに鎮まったかと思えば、それは一瞬の幻に過ぎなかった。

悠「ねぇ……その痕、やっぱり五条さん?」

低く押し殺された声で、そう囁かれた瞬間彼の舌先が首筋のキスマークの上をなぞった。

まるで焼き印を確認するように。

指先はゆっくりと顎を持ち上げ、視線を絡め取る。

悠「……俺、さ……優しくするつもりだったのに。」

その言葉の直後、悠仁の手がぐいと太腿を開く。

優しく撫でていた掌とは違い強引に、だが絶妙な力加減でこちらの自由を奪っていく。

悠「でも他の男にこんなとこ触らせたって思ったら……ちょっと、気が変わった。」

ショーツを引き裂かれるその動作すら、悠仁の中に冷たい嫉妬が渦巻いている証拠だった。

悠「もっと……俺だけのモノだって、刻みつけないとね?」

ぞくり、と背筋が粟立つ。

瞳の奥に、かつて見たことのない獣のような色が宿っていた。

手首を掴まれ、上体を倒される。

資料棚に押しつけられた頬が冷たくて、その温度差が余計に羞恥と緊張を煽る。

悠「そんなに慣れてんの? 五条さんとは、よくここでしてた?」

「ち、が……っ、」

言い終えるより早く、舌が後ろからじっとりと耳を舐めあげた。

熱く、ねっとりと。

悠「ふーん……じゃあ、俺ともここで慣れてもらわないと。」

ぐちゅ、と粘膜の音が立つたびに羞恥が喉元まで込み上げる。

けれどそれ以上に彼の指が這うたび、身体は勝手に反応してしまっていた。

悠「もう……こんなになってんじゃん、俺ので。」

「……違う、そんなつもりじゃ……っ。」

悠「違うの? じゃあ、なんで震えてるの?」
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