第10章 遠回り
「……っ、やめ……甚爾さん……。」
口を閉ざす間もなく、唇を塞がれる。
乱暴で、味わうようなキス。
舌を絡め取り喉の奥を貪られるような深い口づけに、思考が奪われる。
ワンピースを乱暴に剥ぎ取られ、素肌が露わになる。
彼の手が腰を引き寄せ太腿を持ち上げると、そのまま壁際に押しつけられる。
甚「俺がいないと、寂しいんだろ?」
「……ちが、う……っ。」
甚「だったら、なんでこんなに濡れてんだよ。」
彼の声は耳元で囁かれ、手が女の秘所をなぞる。
触れられるだけで、背筋が跳ねる。
呼吸が荒くなり、腰が勝手に彼の手に応える。
甚「言えよ。……俺が欲しいって。」
「……やだ、そんなの……言えるわけ、ない……。」
甚「じゃあ、無理やりしてほしいってことか?」
彼の舌が胸元に這い、乳首を含む。
甘噛みと共に吸い上げられ、全身が痺れるように熱を帯びていく。
膝が震え、もはや立っていられない。
甚「中、ぐちゃぐちゃだな……誰のせいだ?」
「……甚爾さんの、せい……っ。」
崩れそうになる身体を支えながら、ミクはようやく声に出した。
それを聞いた彼は満足げに笑うと、そのままソファへと彼女を押し倒した。
甚「今夜は、ひとりでイくなんて許さねえ。……俺の指と舌で、泣くまでイかせてやるよ」
深夜の静寂の中、ソファの上で響く水音と喘ぎ声。
玄関を開けた瞬間から、女の夜は完全に甚爾の手に堕ちていった。