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モニタリング

第10章 遠回り


「……だれ?」

深夜の訪問者など心当たりはない。

バスタオルを巻いたまま恐る恐るインターホンのモニターを覗くと、そこに映っていたのは――

「……甚爾さん……?」

目を疑った。

だが間違いない。

煙草を咥えたまま、無造作に立っている。

くたびれた黒シャツそしてあの、鋭くも熱を孕んだ双眸。

玄関のドアを開けると、彼はゆっくりと顔を上げた。

視線が女の身体を舐めるように滑っていく。

甚「……良いとこだったか?」

低く嗤うような声。

指先にはまだ煙草が挟まれている。

彼の視線が脚の隙間に注がれているのを感じ、ミクは思わず裾を掴んだ。

「どうして……こんな時間に……。」

甚「オマエが呼んだんだろ?」

甚爾はそう言うと玄関に1歩、無言で踏み込んできた。

彼の身体から漂う煙草と酒の香りが、空気を侵すように満ちる。

「呼んでない……っ。」

甚「呼んでたよ。……俺の名前、喘ぎながら何回言った?」

その言葉に、足元から力が抜けた。

図星だった。

彼の名を呟きながら、自慰に耽ろうとしていた――

それがまるで呼び寄せたかのように、現実になった。

甚「触ってたんだろ? ……ここで。」

甚爾は女の顎を指で持ち上げると、もう片方の手でワンピースの裾をめくり上げた。

太腿に伝っていた愛液の痕を見つけ、声を潜めて笑った。

甚「濡れてんな。……自分で慰めて、満足できたか?」
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