第1章 お隣さん
甚「……ああ、イイ顔するじゃねぇか。そんなに見られながら感じんの、好きか?」
「や……っ、ちが……っ、ちがうのに……っ。」
甚「ほんとか?」
ローターを浅く出し入れしながら、女は膝を揺らす。
視線の先にいる甚爾が1歩も動かず、ただ見ているだけという事実が逆に女の身体を異常に熱くする。
「やっ……んんっ、だめぇ……これ、だけじゃ……っ。」
甚「ほらな、言った通りだ。指でも足りねぇ、玩具でも足りねぇ。……結局、オマエが欲しいのは――。」
甚爾は、そこで1拍置いて、にやりと嗤った。
甚「俺の指だろ?」
「……っ……。」
言い当てられて、女の顔が1層赤くなる。
否定できない。
身体が疼いている。
奥が、張り裂けそうに切望している。
自分ではどうにもできない奥の疼き――
それを満たせるのは、きっと目の前の男だけだ。
甚「ほら、もっと濡らしとけ。中でローター震えさせながら“入れてほしい”って顔してみろ。」
甚爾の指先は、未だ女に触れていない。
けれどその言葉と視線だけで、女の身体は完全に彼に犯されていた。
「……あの、甚爾さん……っ。」
ローターを挿れたまま女は太腿を震わせて、息も絶え絶えに言った。
「そろそろ……そういうの、やめてくれたら……。」
甚「“そういうの”ってなんだよ。」
甚爾は相変わらずベッドに腰を下ろしたまま脚を組んで、余裕たっぷりに女を見下ろしていた。
視線だけが熱を帯びていて、その落差が逆に彼の色気を際立たせる。
「わたし、もう……っ。」
女は唇を噛む。