第8章 たまには
乱れた髪に唇を押し当て首筋に肩に唇を滑らせながら、さらに深く打ち込んだ。
甚「このまま、奥でイかせてやる。玩具のまま、ぐちゃぐちゃにして……悦ばせてやるよ。」
「んっ、あっ、もう……あああっ……!」
快感が頂点に達し、身体の奥で何かが爆ぜた。
膣が痙攣するように震え、甚爾の熱をきゅうきゅうと締めつける。
甚「……良い締まりだ……。」
彼はそれに応えるように最後の一突きを深く差し込み、そのまま熱を奥へと流し込んだ。
びくびくと脈打ちながら射精される感覚に、ミクの瞳が潤む。
「……っ、あつ……い、なか、で……。」
甚「そうだ。俺のだ。もう誰にも渡さねぇ。……オマエは、俺の玩具でもあり、女でもある。」
ゆっくりと抜き出されると、中から零れ落ちる蜜が太腿を伝った。
だが彼は、ローターもプラグも外さず、そのまま彼女を抱きしめた。
甚「次は……目隠しと手枷でも、してみるか?」
「……ばか……。」
呟く声は、どこか甘く蕩けていた。
朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。
シーツはまだ微かに体温を留めている。
だが隣にいたはずの彼の姿は、どこにもなかった。
――また、いない。
ミクはゆっくりと身を起こし、髪をかき上げた。
喉の奥が、妙に渇いている。
脚を閉じると、そこに微かな痛みと熱が残っていて昨夜の濃密な記憶が否応なく蘇った。
まるで、あの指と声がまだ内側に残っているようで。
彼の吐息に追い詰められて、何度も名を呼んでしまった自分が――
悔しいほど、鮮やかだった。
でも。
(……なんで、何も言わずにいなくなるの。)
その疑問は、昨日の余韻を急速に冷ましていく。
シャワーを浴びてもメイクを整えてもスーツを着ても、胸の奥に小さな違和感が刺さったままだった。